東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(元首相)が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと女性蔑視の発言をしたことに対し、国内外から批判や辞任を求める声が大きく広がり、辞任しました。後任となった橋本聖子氏は2014年、フィギュアスケート男子選手へのハラスメント問題が報道されたこともあり、適格性への懸念は消えません。
五輪憲章では、「…いかなる種類の差別も受けることなく、確実に教授されなければならない」と謳っています。「女性蔑視発言」も「コロナ禍の下で五輪を強行しようとする姿勢」も五輪の精神に反しているのではないでしょうか。
今年夏の東京五輪は中止し、コロナ収束に全力を尽くすべきです。
「女性蔑視発言」があってからジェンダー平等について話してほしいと言われます。ジェンダーとは「社会的・文化的につくられた性差」です。「男のくせに、女のくせに」と私たちの中でも無意識に差別が浸透しているのではないでしょうか。
無意識に浸透した差別は自然に身についたわけではありません。時々の支配階級が国民を支配・抑圧するために政治的に作り、歴史的に押し付けてきたものです。そんな話をすると「私の中にも無意識に差別していることがある」「それが当たり前だと思っていた。気づいたことから変えられるように努力したい」などと思いを語ってもらえ、話がはずみます。
男性も女性も多様な性を持つ人々も差別なく平等に尊厳を持ち、自らの力を存分に発揮できる社会にしたいと思います。
(2月22日 記)